第9回みらさぽ絵画・作文コンクール優秀作品発表

青少年や子どもたちに勇気や感動、感謝の心を伝えていくために活動する一般社団法人。文部科学省後援「みらさぽ絵画・作文コンクール」、文部科学省教育プログラム「DACセブンサミッツ冒険教室」、ミャンマー尼僧院支援等SDGsに貢献する各種プロジェクトを推進。


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編みこまれた家族の絆仙台市立南吉成小学校6年生堀内津麦私とチョウのあつい夏帯広市立大正小学校2年生久保咲楽テリアスなタイトルです。これは何だろうと思わされます。着物のリメイクを仕事とするお母さんが、誕生日に贈ってくれた中古など、古きものを大事に活かす暮らしの良さが描かれます。古いボロボロの布から生まれた縦糸と横糸が丈夫な布になるのと同じまれた絆への思いが、読んだ私たちにもしっかりと伝わってくる作品です。作文部門作文部門【審査員コメント】「すきだったけれどこわかった」虫と新しく出会えた「森の寺子や」での体験が生き生きと描かれています。「じぶんの手でチョウをつかまえる」時のドキドキ感もうまく書けていますし、「うすくサラサラしていてまるでサテンのようだった」という表現も素敵です。虫やチョウに対する思いや共に過ごした体験など、描写がとてもうまく、まるで「昆虫記」を読んでいるようです。仲良くなったチョウを手から離す時の思いにも共感します。「お母さん、今度は何を作っているの?」母は四角い形や細長く切ったいろんなはぎれをつないで一つの布にしていた。「着物のはぎれでコートを作ってるのよ。これはね、ひいおばあちゃんがよく着ていた着物で、こっちはひいおじいちゃんのなんだよ。古いから汚れているところもあるけどきれいなところだけつないだら布は新しくなるんだ。かわいいでしょ。」つないだ布を私に見せながら、楽しそうに言った。いろんな柄がつながってできた布は、色とりどりだけど一つにまとまっていて確かにかわいかった。でも、こんなに面倒な事を楽しそうにしている母が宇宙人に見えた。それに、私も母もひいおばあちゃんにはあった事がないのになぜそこまでして残したいのか不思議だった。着物のリメイクをしている母の元にはたくさんの着物が集まる。小さなはぎれも大切につなぎ合わせて使い切る母の作品を見た人は、捨てるくらいならと持ってきてくれるのだ。母は材料が増えたと喜び、持ってきた人は部屋が片付いたと喜んでいる。もちろん出来上がった服を着る私たち家族もとても喜んでいる。そんな母が昨年、私の誕生日に買ってくれたものは中古の機織り機だった。部屋の場所をかなりとるので、本当は機織り機よりも本棚が欲しかった。でもそんなことは言えるわけもない。あまりやる気もないまま、機織りをするのに必要な材料をネットで調べていると「材料は全部そろってるから。」というのだ。頂きものの刺し子の糸を経糸た。幅は初めてだから短めにしようということで二十センチくらいの幅で作ることにした。なれるまでかなり時間がかかったけれど、両端がだんだんときれいに整ってくると作業がどんどん楽しくなってきた。半分ほど出来上がったときふいに、いくつかの疑問が浮かんだ。母はなぜ私にさき織をさせたのだろう。さき織で何を伝えたかったのだろう。なにかヒントになるかもしれない。そう思い、とりあえずさき織について調べてみることにした。さき織という技法は、歴史をたどると江戸時代中から始まり「使い切る」という日本の文化の中で発展した。さき織でさらに使い古した後は、組みひもに作り直し、その後は虫よけになるからと農作業中に燃やして使っていたことを知った。「なぜ私にさき織をさせたのか。」母は物を最後まで大切に扱うことを私に教えたかったのではないだろうか。思い返せば、物だけでなく食べ物や生き物の大切さを小さなころから、母も父も教えてくれていた。「さき織で伝えたかったことは何か。」いくつか思いつくものもあったが、どれもちがうような気がして直接母に聞いてみることにした。「さき織って経糸と緯糸がしっかりと編まれて一つの布になっているじゃない?それが古くて汚れていてボロボロの布でも織りこめば丈夫な布になるでしょ。だからけんかしてもすぐ仲直りして、みんなで支え合っていける家族みたいに思えたの。これからも仲良く支え合っていこうねって伝え


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