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2021年5月6日

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4/24(土)みらさぽ×日本動物愛護協会 オンライン動物愛護セミナーvol.2、ゲスト・パネリストより質問の回答をいただきました②

4/24(土)に開催した、みらさぽ×日本動物愛護協会 オンライン動物愛護セミナーの参加者からの質問についてゲストの今西乃子氏、パネリストの廣瀬章宏氏から回答をいただきました。

 

※回答の前編はこちら※

 

 

左:児童文学作家・(公財)日本動物愛護協会 常任理事 今西乃子氏

右:(公財)日本動物愛護協会 常任理事・事務局長 廣瀬章宏氏

 

⑩命をどう教えるか

 

今西氏回答: 私が考えている「命」とは「ただ息をしている」ということではないということ。命の尊厳とは、未来に希望があり、幸せがあると思えることだと考えています。ですから「命を伝える」ことは「人としての幸せとは何か?」を伝えることと考えます。また、この場合「教える」のではなく「気づいてもらう」ことを意識して、自分の考えを伝えるようにしています。

 

廣瀬氏回答:これは犬猫の殺処分に限ったことではありません。ハムスターなどの小動物、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、今の日本では様々な動物がペットショップで売られています。一時的な感情で飼い始めて、飼いきれずに虐待に近い飼われ方をしていて苦しんでいる動物、命を落としてしまう動物たちが相当数いるのではないでしょうか。例えば、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の問題です。仔亀の時はとても小さくてかわいいです。しかし、40年近く生き、一般的な60センチ水槽では飼えなくなるほど大きくなります。そして飼えなくなったカメを池に放ちます。繁殖し大きくなったミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は日本固有種の住処を奪い、外来種として駆除されます。これだけではありません。アライグマ、アメリカザリガニ、ウシガエル、マングースなどの駆除をニュースで見たことがあるのではないでしょうか、彼らは好きで日本へやってきたわけではありません。かわいいから、飼いやすいから、ハブ対策、または食料として…すべて人の都合により日本に持ち込まれました。命を救う、ということは飼育だけでなく、生態や環境、その他に関しても正しい知識を学び、二度とこのようなことを繰り返してはいけないことだと思います。私たちはそのために終生飼養、適正飼養の啓発を続けていきます。

 

⑪コロナ禍の中、奈良や猫島といった動物を観光資源とする地域はどう変わって行くと思いますか。また、アフターコロナを見据えて何をしていくべきだと思いますか。

 

今西氏回答:奈良公園の鹿は天然記念物なので、今後も変わらないと思います。猫島に関しては、私は行ったことがないので、お答えできずすみません。

 

廣瀬氏回答:猫島やウサギ島など観光地となっているところはいくつもあります。そもそも静かに暮らしていたのにマスコミに「楽園」などと取り上げられたことで観光地となってしまったのではないでしょうか、島の住民の高齢化、増えすぎた猫、コロナ感染リスク、仔猫が生き残れない、など問題点は多いです。不妊去勢を施しこれ以上増えないようにする対策も進んでいますが、まだまだ多くの問題を抱えています。今後は「かわいい、かわいい」だけの変な猫ブーム等に踊らされないことが重要ではないでしょうか、猫ブーム、猫が好きというのであれば、このブームを救うほうへシフトしていきたいですね。

 

⑫障害を持つ子を迎えることは、生きていく過程で、どんな合併症や困り事が起こるか分からないことを考えると、覚悟が必要だと思います。ですが、手を差し伸べたい気持ちがあります。今西さんは、どんな心構えで未来ちゃんを迎えられましたか?

 

今西氏回答:このご質問の答は、「捨て犬・未来、しあわせの足あと」の全頁に超詳しく描かれています。図書館にもあると思うので、借りて、ぜひ読んでいただければ幸いです。

 

⑬動物愛護と聞くとみなさん犬猫の事ばかりが表に出てますが、他の動物についてはどう思ってますか?例えば熊やイノシシが山から餌を求めて来た時に射殺される事がありますが、これは仕方ないことだと思いますか?

 

今西氏回答:同じ野生動物のクマとイノシシですが、ここでは分けて説明したいと思います。まず、クマは人里に来て、人間を襲い、人間に危険が及ぶからクマが射殺されるのだと思います。これに関しては残念で悲しい出来事と言わざるを得ませんが、自分がクマに襲われたら死に物狂いでクマと戦いますよね。熊のために自分が襲われて大けがをしたり、死んでもいい、と言う人はいないのではないでしょうか?ではクマがなぜ人間の集落まで餌を求めてくるのか?その原因は人間にも大いにあります。本来野生動物と人間はきちんと棲み分けしなくてはなりません。しかし、その境界線が消滅し、クマが人里に現れるようになったのです。クマが人を恐れなくなったことも大きな原因です。本来、動物(ペット、家畜は除く)は、人間を恐れ、人の生活圏には来ないもので、すみ分けもできていましたが、昨今、その棲み分けができなくなり、悲劇が起こっているのだと思います。

 

次にイノシシですが、現在、日本では、イノシシ、ニホンジカなどが有害獣として積極的に駆除されています。適正生息個体数を超えて、増え続けたため、積極的に駆除しなければ、人間の農作物を食べるだけではなく自然の生態系まで壊してしまうからです。自然の生態系が壊れれば、先には、土砂崩れや洪水など大きな災害を私たちにもたらします。そうならないために、適正個体数にまで減らす必要があるのです。駆除には、狩猟、罠猟などで、捕まえ、殺処分をします。人間に飼われているペットと野生動物とは、私達人間とのかかわりが全く異なります。

 

ペットは私達人間から世話をしてもらい、餌をもらっていますが、野生動物は自分の力で生きています。人間に管理されているペットや家畜は、飼育頭数も健康状態も管理されています。そのペットや家畜と同じ目線で、駆除される野生のイノシシを「かわいそう」と考えていたら、私たちは自然界から大きなしっぺ返しを食らうことになります。つまり一時の「かわいそう」という感情が、取り返しのつかない絶望的な「かわいそう」を作ってしまうということです。そうならないために駆除をしているのです。

 

そして、その「かわいそう」の原因を作っている多くが、私達人間なのです。その加害者である人間が「かわいそう」というのは、変ですよね。野生動物とは、仲良くならず、きちんと棲み分けをする、これこそが自然を護り、結果、その中で暮らす野生動物を護っていくことにもつながるのです。ペットと野生動物は同じ動物でも、人間との暮らし方が全く異なることを理解しなくてはなりません。有害獣であるニホンジカやイノシシが適正個体数まで戻れば、もちろん駆除などする必要はなくなるのです。野生動物には餌を与えたたりせず、きちんと棲み分けをして、共存することが、野生動物も自然も大切にすることに繋がるのだと私は考えます。

 

最後に、私は動物が大好きです。クマもイノシシも好きですが、「好きだから、かわいそうだなら殺さないで!」と言うほど、事は単純ではないということを申し添えておきます。

 

⑭盲導犬、介助犬などの必要性

 

廣瀬氏回答:まず、犬はペットとしてだけでなく、様々な使役犬と呼ばれる人のために働く犬がいます。猟犬、牧羊犬、警察犬、麻薬探知犬などです。犬たちは代々人の役に立つように品種改良されてきました。(闘犬、軍用犬など人の娯楽や戦争のために使われるものは使役犬とは思いません)そして多くの恩恵を人は受けています。身近なところで盲導犬、聴導犬、介助犬だと思うのですが、必要としている人の立場から見れば、目となり耳となる存在で必要不可欠だと思います。ただ、それには犬が楽しく仕事をしている。お互いに信頼関係が築けているということが前提になります。近い将来ロボットやAIが発達して盲導犬や聴導犬、その他使役犬がいらなくなる世界が来るかもしれません。しかし元をたどれば狼から人の役に立つように改良されてきた犬が、今度は役割がなくなってしまい人の愛玩だけに利用され改良されていくのも複雑な気がします。

 

⑮信頼できる保護犬団体の情報、最新の殺処分に対する国の対策の現状など

 

廣瀬氏回答:保護犬等の団体に関してはすべてを把握しているわけではないのでお答えするのが難しいです。国の対策については環境省が多頭飼育対策のガイドラインを作成し、ケージの数値規制など様々なことを議論しています。その会議議事録なども公開されているので最新の情報は環境省のウェブサイトを見ていただくのが良いと思います。